漆の町に漆の巨木がやってきた日―1995年の記憶
2026-09-24T22:00
1995年、秋田県二ツ井で見つかった漆の木が、岩手県の浄法寺町立文化会館(Jホール)に設置されたときの岩手日報の記事です。
この年は、映画『もののけ姫』の本格的な制作と準備が進められた重要な年でもありました。アシタカの里のモデルともいわれる秋田県。雅な椀のきれいな朱色は、かつてこうした品種の木から採取されたものでした。しかし、現在では別の品種の木が主流となっています。
発芽率、成長速度、樹液の量、効率ばかりが重要視され、それがあたかも優良品種だともてはやされる風潮には、まるで過去の優性思想に通じるようにもどかしい違和感を覚えます。
本来のこの木には、落ち着いた品のいい艶があり、朱色の発色がとても良いという魅力があります。効率の陰で失われていくものに思いを馳せるとき、映画の中でも描かれていた「自然と人間との共生」というテーマが、今なお深く心に問いかけてきます。
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